力身邸 奈良県奈良市 増築部 鉄筋コンクリート造

    トーヨーキッチン デサインフォトコンテスト入賞 2010年9月

 奈良市内の敷地900坪、既存230坪築20年和風住宅に一人住む母のために、家族ともども同居を決められた施主からの依頼。既存の和風住宅とは全く異なるモダンスタイルの住宅を依頼されたため、既存を一部解体し鉄筋コンクリート2階建て住宅の増築を提案しました。
 今回計画において最優先で考えたことは、既存の和風庭園を壊さずに現状のまま残す配置とし、 既存木造ゾーン、新RCゾーン双方からの、四季の移り変りが楽しめる贅沢な景観を室内に取り込むことです。 和風を好まれる人、モダンを好む人、建築嗜好はライフスタイルにより様々ですが、住みながら楽しむ 四季の移り変わりは、建築スタイルに関係なく有機的に人を幸せにします。室外の庭と室内が如何に連続性をもって繋がるか、施主は秋これまでに観たことの無い新しい視点で毎日紅葉を楽しむことができたと喜んでおられました。めざしたのは、奇異をてらうことなく自然と建築空間が住む人に安らぎをあたえる住宅です。
 奈良盆地は夏蒸し暑く、冬は寒さが厳しい。既存和風木造住宅は伝統的な構造で、軒の出の大きい瓦屋根、真壁は土壁にジュラク塗りがなされ蒸し暑い夏を心地よく過ごす日本家屋の基本とおりに建てられている。増築RC部はコンクリートの断熱はもとより、全開口部エコペアガラスを採用し、熱損失負荷の向上を計ったうえで、床暖房まで温水式のエコキュートを採用しました。今回の双方オール電化化は既存木造部が元来ボイラー式であり、メンテナンスとランニングコストで苦労された施主の要望によるものです。しかし、冷暖房の必要ない季節は双方とも開口部をあければ、庭から吹き込む心地よい風を楽しむことができます。